松竹 文芸映画名作選
尾崎紅葉、今日出海、大佛次郎、井上靖、岸田國士、丹羽文雄、田宮虎彦、藤原審爾…珠玉の文学の映画化作品を厳選!
●『金色夜叉』 1937年作品・・・尾崎紅葉の未完の新聞連載小説の映画化。
●『暖流』 1939年作品・・・岸田國士の長編小説を吉村公三郎が鮮烈なタッチで描く!
●『薔薇合戦』 1950年作品・・・複雑な人間関係の中で懸命に生きる三姉妹の姿を名匠・成瀬巳喜男が描いた群像劇。
●『獣の宿』 1951年作品・・・藤原審爾の小説「湖上の薔薇」を黒澤明の脚本で映画化。
●『離愁』 1960年作品・・・井上靖の『青衣の人』を大庭秀雄が柳井隆雄と共同シナリオで映画化。
●『雲がちぎれる時』 1961年作品・・・田宮虎彦の『赤い椿の花』を新藤兼人が脚色し五所平之助が監督。
●『晴れた日に』 1956年作品・・・今日出海の新聞連載小説の映画化作品。大庭秀雄が微妙な恋愛心理を鋭く描いたロマン大作。
●『旅路』 1953年・・・大佛次郎の新聞連載小説を映画化した文芸大作
松竹 文芸映画名作選 DVD 8巻セット
尾崎紅葉、今日出海、大佛次郎、井上靖、岸田國士、丹羽文雄、田宮虎彦、藤原審爾…珠玉の文学の映画化作品を厳選! DVD8巻セット
●『金色夜叉』 1937年作品
読売新聞に連載された尾崎紅葉の小説の映画化。
清水宏監督の演出で、寛一・お宮は夏川大二郎と川崎弘子が演じている。
脇を固めるのも、佐野周二、佐分利信、三宅邦子、高峰三枝子、笠 智衆ら、豪華キャスト。
＜ストーリー＞
一高の学生・間貫一(夏川大二郎)には将来を誓い合った恋人のお宮(川崎弘子)がいた。
しかし、結婚を間近にして、お宮は財産家の富山のところへ嫁いでしまう。
絶望した貫一は、お宮の前から姿を消し、復讐のために、高利貸しになる。
一方、お宮も富山との結婚後、悔悟にくれ、寛一に許しを請う手紙を書きつづるのだった…。
■キャスト：川崎弘子、夏川大二郎、上山草人、佐野周二、佐分利 信、三宅邦子、高峰三枝子、笠 智衆
■スタッフ：原作:尾崎紅葉 脚色:源 尊彦、中村能行 監督:清水 宏
●『暖 流』 1939年作品
腐敗した病院の立て直しをめぐって院内で繰り広げられる権力争いを背景に、院長令嬢、事務局長、医師、看護婦らの恋模様を描く。
朝日新聞に掲載された岸田國士原作の長編小説を、吉村公三郎が斬新なタッチで演出している。
＜ストーリー＞
恩人の志摩が病に倒れ、日疋(佐分利信)は志摩が経営していた病院の立て直しに乗り出す。
複雑な人間関係が渦巻く医局内で、日疋の腹心として働く看護婦・ぎん(水戸光子)は、いつしか彼に恋心を抱くようになる。
一方、志摩の娘・啓子(高峰三枝子)と婚約者の笹島(徳大寺伸)は、日疋の独断的な行動に反抗的だった…。
■キャスト：出演:佐分利 信、高峰三枝子、水戸光子、徳大寺 伸、日守新一 、斎藤達雄、藤野秀夫
■スタッフ：原作:岸田國士 脚色:池田忠雄 監督:吉村公三郎
●『薔薇合戦』 1950年作品
丹羽文雄の小説を原作に、成瀬巳喜男監督が、複雑な人間関係の中、懸命に生きる三姉妹の姿を描いた群像劇。
企業戦争というどす黒い題材を取り上げながらも、成瀬巳喜男が独特の「女性」の描き方を見せる。
＜ストーリー＞
大手の化粧品会社「百合化粧品」の幹部・里見剛三は、妻の真砂(三宅邦子)と謀って会社を乗っ取ろうと企むが、
病いに倒れ、更に背任横領の事実を掴まれてしまう。
その後、剛三は病状が悪化して死んでしまい、「百合化粧品」への報復を誓う真砂は、
実業家笠原をパトロンにして新会社・「ニゲラ化粧」を設立する。
園池(鶴田浩二)を宣伝部長としてヘッドハンティングし、成長を遂げるが…。
■キャスト：鶴田浩二、桂木洋子、三宅邦子、若山セツ子、安部徹、永田光男、大坂志郎、千石規子
■スタッフ：原作:丹羽文雄 脚本:西亀元貞 監督:成瀬巳喜男
●『獣の宿』 1951年作品
藤原審爾の小説「湖上の薔薇」を黒澤明の脚本で映画化。
欲望のおもむくまま生きる野獣のような男を鶴田浩二が熱演!
＜ストーリー＞
湖畔のホテルに健(鶴田浩二)という男が逃げて込んで来た。
ホテルの支配人・弥造(志村 喬)は今でこそ平穏な日々を送っているが、昔はドスの弥造と呼ばれた人物で、健の身柄を預かる。
健は、ホテルへ逃げる途中に犯した罪もどこ吹く風と、毎日毎日朝寝してはウイスキーをあおっていた。
それどころか、弥造の孫娘・由紀(岸 恵子)に目を付けるのだった。
そんなところにユリ(小林トシ子)という健の弟分・次郎(青山 宏)の情婦が健を訪ねて来る。
ユリは次郎が健の身代わりになって警官に追われ、自ら頭を撃って死んだという。
だが、健は鼻先で笑い、獣のようにユリを襲うのだった…。
■キャスト：鶴田浩二 志村 喬 岸 恵子 小林トシ子 藤原釜足 毛利菊枝 有島一郎 清水將夫 山口幸生 青山 宏
■スタッフ：製作/小倉浩一郎 原作/藤原審爾 脚本/黒澤 明 監督/大曽根 辰夫 撮影/片岡 清 照明/寺田重雄 録音/福安雅春 美術/桑野春英 音楽/加藤光男
●『離愁』 1960年作品
井上靖の『青衣の人』を大庭秀雄が柳井隆雄と共同シナリオで映画化。
デリケートな女心と女性の生き方を美しくリアルに描く。
＜ストーリー＞
初夏の陽に輝く琵琶湖、その湖面を滑る遊覧船で境道介(佐田啓二)は、一人の若い娘(桑野みゆき)の何か異様な感じにふと目をとめる。
やがて船が竹生島に上陸した時、その娘は崖っぷちからじっと湖面をのぞきこんでいた。道介は思わず声をかけた。
この若い美しい娘の命を守ることに一種の誘惑を感じたからである。境道介はこうして木谷れい子と知り合った。
その夜、れい子をつれた道介は、京都にいる友人山口(永井智雄)の家にひとまず落ち着いたが、彼女はすっかり元気をとりもどしていた。
翌朝、れい子の知らせで東京から迎えに駆けつけた彼女の叔母・三浦暁子(岡田茉莉子)の顔をみて、道介はあっと息を飲んだ。
二人は旧知の仲だったのだ…。
■キャスト：佐田啓二 岡田茉莉子 桑野みゆき 山本豊三 仲谷 昇 永井智雄 三宅邦子 市原悦子 永井智雄 岩崎加根子
■スタッフ：製作/小松秀雄 原作/井上 靖 脚本/柳井隆雄 大庭秀雄 監督/大庭秀雄 撮影/長岡博之 照明/小泉喜代司 録音/小尾幸魚 美術/芳野尹孝 音楽/池田正義
●『雲がちぎれる時』 1961年作品
田宮虎彦の『赤い椿の花』を新藤兼人が脚色し五所平之助が監督。
椿の花によみがえる青春の追想!
＜ストーリー＞
南国の陽を浴びてバスが鮮やかに悪路の菅多峠を越して行く。
運転する三崎義実(佐田啓二)と車掌の加江子(倍賞千恵子)。
二人は近く結婚する事になっていた。そのバスの客の中に、三崎にとって忘れ得ぬ人、市枝(有馬稲子)が乗っていようとは…。
三崎は子供の頃、海難で近親者を失い市枝の家、仁寿堂病院に引き取られ養育されていたが、
市枝もまた相次ぐ不幸に見舞われ、戦後の混乱で離ればなれになる。
その後、偶然再会し共に暮らしていた二人だったが、市枝は置手紙を残して去ってしまった。
そして今、三崎が加江子と結ばれようとしている時に、再び市枝にめぐり逢おうとは…。
■キャスト：佐田啓二 有馬稲子 仲代達矢 倍賞千恵子 渡辺文雄 日高澄子 中村是好 伊藤雄之助
■スタッフ：製作/月森仙之助 五所平之助 原作/田宮虎彦 脚本/新藤兼人 監督/五所平之助 撮影/竹野治夫 照明/平田光治 録音/福安賢洋 美術/平川透徹 音楽/芥川也寸志
●『晴れた日に』 1956年作品
今日出海の新聞連載小説の映画化作品。
大庭秀雄が微妙な恋愛心理を鋭く描いたロマン大作。
＜ストーリー＞
政治家・酒井忠良(柳 永二郎)の一人娘・香澄(有馬稲子)は、ある晴れた日の午後、父の静養先である軽井沢の別荘を訪れる。
迎えたのは父の満州時代の親友・佐竹(笠 智衆)という老人で、今は同家の執事として働いている。
彼は敗戦の時に戦死と誤報され、妻は狂死し、一人娘とも生き別れになっている気の毒な境遇だった。
香澄は父のゴルフ仲間である青年実業家の鷲尾謙吉(佐田啓二)との縁談を承知したばかりだったが、この縁談に政略結婚のにおいを感じて反発していた。
そんな彼女は別荘仲間の古河優子(杉田弘子)やその母親にゴルフを教えていた早見三一(高橋貞二)という青年に心惹かれ、積極的に近づいていくのだった…。
■キャスト：高橋貞二 佐田啓二 有馬稲子 杉田弘子 小山明子 柳 永二郎 笠 智衆 須賀不二夫 明石 潮 高橋豊子
■スタッフ：製作/山内静夫 原作/今 日出海 脚本/柳井隆雄 監督/大庭秀雄 撮影/厚田雄春 照明/荒井公平 録音/小尾幸魚 美術/浜田辰雄 音楽/池田正義
●『旅路』 1953年
理知と美貌に恵まれた妙子…ひとり都会の奔流に身をおく。
朝日新聞に連載された大佛次郎の傑作小説を映画化した文芸大作。
京都の名家に、亡き父の不義の子として生まれた美しい娘を中心に、
東京、鎌倉、伊豆に繰り広げられる悲しくも美しき波乱の恋、多彩な人物が綴る人生模様。
＜ストーリー＞
名門の家に生まれながら、実は女中の子であるという暗い秘密を持った妙子(岸 惠子)は、両親の死後、タイピストとして健気に自活していた。
ある日、妙子は戦死した従兄の墓参りに行って、その学友であった良助(佐田啓二)と知り合うのだが…。
■キャスト：岸 惠子、佐田啓二、若原雅夫、月丘夢路、笠 智衆、千田是也、日守新一、北原三枝
■スタッフ：監督:中村 登 原作:大佛次郎 脚本:池田忠雄 製作:大町龍夫 撮影:生方敏夫 音楽:黛 敏郎
映画制作：松竹株式会社
制作販売：株式会社コアラブックスメディア